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18/07/31 視覚的資料? 茶道からキモノ、活版印刷の装飾活字カタログまで

■予報通り日本列島を東から西へと台風の通常ルートを逆行したかと思えば、未だ迷走を続けている台風12号。土曜日は結局お休みをいただくこととなりました。その時間を使って昨日月曜日までに棚上げしていたいくつかの資料の塊を整理できたのですが、復活したPhotoshopはどうも使い勝手がこれまでと違って時間がかかり、結局HPの更新までには至らず。予定より1~2日遅れての更新となりました。

ひとつ大切なお知らせを先に。8月4日(土)は所用のため、18時に閉店させていただきます。何卒ご容赦のほどお願い申し上げます。

■さて、話は戻って。資料の塊のひとつは、『海』創刊当時の編集長・近藤信行氏が旧蔵していた海外作家とのやりとり=書簡・文書の続きで、主に日本側から発信した文書の控え。先に整理を終えている書簡と突き合わせると、やりとりの内容・経緯が読み解けるものも出てきそうです。但し、近藤氏の文書についてはまだあと少し、特に文学賞に関わるものと見られる一群の整理が残されています。こちらは全体が把握できたところで改めてご紹介できればと思っています。

■そして。残るもうひとつが、江戸後期、茶道を趣味とした人が残した文書で、いわゆる写本に類する一群。「幽素庵」と号する人その他2~3名の筆跡が認められます。
分類してみると大きく『貞要集』巻1~3 (8冊 巻数重複あり)、『伯就翁茶湯間違噺 全』『随筆 秘書』『雑録 秘書』などの読み物、点前に関する作法全般 (和本)、茶室関係文書、茶道具関係資料、免状などその他茶道関係 に分けられます。
茶道については生半可な知識で語ることがこれほど恥ずかしい世界はなく、茶道についてド素人なら写本を解読する知識の持ち合わせもない小店店主、突っ込んで書けることなどひとつもありません。
ただ、このダンボールSサイズ1箱から少々はみ出す量の文書に出てくる図版 - 茶碗・茶杓他茶道具の姿、道具立てのスケッチ、茶室の間取り図と、お手製 ( ! )の起こし絵図まで - が実に丹念に描かれていること、尚かつ うまく描こうとすると出てこなかっただろう素朴な味わいがあり、何とも面白いものであるなあというその一点でもって落札してしまったという次第。とくに間取り図・解説図に弱いもので。これもまた視覚的資料のひとつではあるまいかと言い訳しつつ。
読み物についてはもちろんそのタイトルからして全く知らなかったものばかりですが、序文に「部田横月(=へたのよこつき)」といういかにもな名で序文がある『伯就翁茶湯間違噺』は読めるものならとは思うものの、自動翻訳のクオリティが向上したいま、英語フランス語ドイツ語より難しいのが明治期頃までの我が母国語だったりするものですからええ ……。 


木版によるキモノのデザイン画集とでもいうべきものが『裾野之花』。今回は『春之巻』1冊の入荷です。本来四季=4冊で揃いで扱われたものであり、当巻には奥付が見当たりませんが、キモノのデザイン、木版刷の色調、和綴じ体裁などから見て、明治期につくられたものと見られます。
木版刷の図案集相場はすっかり高止まりの様相を呈しており、仕入れが難しくなる一方の商材のひとつ。端本に至るまで、きちんとした売価がつく時代になった観があります。

■折角Photoshopが復活したのであともう1点。活版印刷の装飾用に販売されていた「花形活字」だけを販売用のカタログにした『花形型録』。大阪と下関に会社を置いていた「青山進行堂活版製造所」の商品カタログです。
「花形活字」とは、「連続して並べたり組み合わせて並べることで、さまざまな表情を作る ことができ」、「アクセントとして単独で使用することもでき」るというもの (嘉瑞工房のサイトより引用)。
今回入荷したカタログはアール・デコの流行初期=明治末~大正初め頃とのものと見られますが、「和」のモチーフをデザイン化したタイプが豊富なのが特徴。ダルマさん、打ち出の小槌、日本髪の鬘、鯉、大入り袋といったところから、三味線を弾く猫、大きな風呂敷包を背負って自転車で急ぐ小僧さんまで、もはや奇想天外。
また、「見出しカット用」「広告用カット」など、複雑なデザインを多数含み、見ていて飽きることがない1冊全150頁となっています。
 






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