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18/11/10 1938年12月 日本の新聞人が持ち帰ったファシズム

■眠たい。もーれつに眠い。もはや限界に近い眠たさに、今週は超特急で。端末によっては余白部分も出そうですが、とあえず黙殺していただければと思う次第であります。
 
目録作成という大棚ざらえで、この2週間余りの間に店内あちこちで驚くようなものを発見しており、今週の2冊はそうした店内発掘品とでも云うべきもののひとつ。他にもまだあるんですがそれはまたの機会として。
本日ご紹介の2冊は、1938年の8月から12月にかけ、ドイツとイタリアに交歓事業の一環として派遣された日本の新聞人が持ち帰ったイタリア・ファシスト党関係のビジュアル書籍です。
『HITLER IN ITALIA』とタイトルこそ英語ですが、本文テキストはイタリア語とドイツ語とが併記されたているお仲間内礼賛本。礼賛するにしても、イタリアではほんとにこれほどまで熱狂的にヒトラーを迎えたのでしょうか。ちょっと疑いたくもなってきます。そもそもプロパガンダだし。それはさておき。
A4を縦にひと回り大きくし、枡形に近いところまで横幅を広げた大判の本で、上製126Pに120点に上る写真を収めています。
ひとつひとつの写真の迫力と美しさはもとより、写真レイアウト、文字組に至るまで、おっそろしく美しい。徹頭徹尾洗練されたスタイに、呑まれるような気分になります。
写真を撮ったのはCiampi、 Massani、 Andreis、 Ferrara、 Pavanello、 Maggini、Bertoglioなどの名前で、この当時、イタリア或いはヨーロッパでは名前の知られた人たちだったようです。なるほど納得。 

寝落ちすんでのところで調べてみた範囲ですので、調べが大甘な可能性は相当高いのですが、イタリアの書店さん複数がカヴァーなしの同書をもって「レア」と云っておりまして。カヴァー付きがどれくらいレアなのかは正直、さっぱり分かりませんが。しかもカヴァー、傷んではおりますが、がしかしかなりのレアのようで。とにかく全ページ完璧な出来なので。できれば全頁ご紹介したいくらいで。これですからね。ファシズム、おそるべし。かっこいいもの、おそるるべき。日本の『FRONT』にしてもそうですが、真面目に、「完璧にかっちょいー」ものには気をつけたいものです。
 
■同じく朝日新聞の人が持ち帰った『FASCISMO GENOVESE』は表紙からしてこれですから。先の1冊が写真1点1点でぐいぐい引っぱっていくのに対し、こちらはフォトモンタージュやデータのビジュアル処理などエディトリアル・デザインのテクニックによって押していくタイプ。そういえば、フランスかドイツのスキー専門書に、この本のいくつかのページのデザインをそつくりパクったような本があったような…。いずれにしても、主張を変えて場を変えて、どこかで使われていてもおかしくない、あの手この手のグラフィック・デザイン集のような本。
 
今週はこの他、立体写真と覗き眼鏡、戦前から昭和30年代初め頃までの茶会記現代美術の薄冊資料、あと、木村伊兵衛の写真(ヴィンテージ・プリント)2点などが明日、店に入ります。入りますがすぐにお目にかれられるかどうか。というその店の惨状については左上の「営業日案内」をご覧下さい。片付けから始まる日々のあまりの憂鬱でに眠気も薄らいできた……。 

 

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