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22/02/05 1960~70年代 アメリカで ヨーロッパで アートは ……

■一週間の早いことといったら。ひと月なんてのも瞬く間で。2022年も2月に入りました。オミクロン株の感染拡大終息をみず、当面アポイント制での営業を継続させていただきます。ご理解ご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

新着品は先週に続いてFLUXUSの系譜に連なる印刷物を。
1点目はナム・ジュン・パイク(Nam June Paik)とジョン・ゴドフリーによる映像作品で、1974年10月にニューヨークのWNET TVでオン・エアされた「Global Groove」のためのポスター約48×33cmと小ぶりなサイズで、画像ではよくみえないと思いますが、背景に英文や漢字が薄く浮かぶ、ちょっと二重露光のようにも見える凝ったデザインです。
世界中のテレビが受信でき、テレビガイドは電話帳のような厚さになる未来のビデオの映像 -「グローバル・グルーヴ」は、そうした未来のビデオ(映像)としてナム・ジュン・パイクが制作した初期の代表作であり、今日に至るまで最も影響力のあるマルチメディア作品のひとつとされています。
その理論はマーシャル・マクルーハンの「地球村」理論に依拠しているとも云われますが、2022年のいま、テレビの電波ではなくデジタル技術を通じてという違いと、テレビガイドどころか電話帳までもういらないという点とを除けば、ナム・ジュン・パイクがアートの上で思い描いた未来は、約半世紀を経て見事に社会に実現されており、ナム・ジュン・パイクとその作品に対する評価が急激に高まっていることにも頷けます。 

オン・エアされた作品は、テレビ番組からの抜粋、ジョン・ケージ、アレン・ギンズバーグ、シャーロット・ムーアマン、ジュッド・ヤルクトなど他のアーティストによるフィルムやビデオテープ、インタビューやナレーション、ポップミュージック、コマーシャル、ブロードキャストブレイクなどが織り込まれているそうで、いまでは動画配信でみることができます。
ナム・ジュン・パイクが亡くなったのは2006年。オンライン動画共有プラットフォームYouTubeが設立された翌年のことでした。

■画像2点目、ご紹介する商品は左側の縦に長い印刷物で、1962年にJudson Hallで行われたラ・モンテ・ヤングの作品の演奏会のためのフライヤー
ヤングとの共作で知られるようになるマリアン・ザジーラによるデザインで、表裏両面印刷の裏側(画像に入れるのを失念しました…)はよく見るともつれにもつれた唐草模様で、一見しただけではほとんど毛虫の集合体に近い図案とタイポグラフィとで構成されています。だからって気味悪がらないで下さいね。
マリアン・ザジーラはヤングが創立した実験音楽集団「シアター・オブ・エターナル・ミュージック」にヴォーカリストとして参加、あのアンディー・ウォーホルにインスピレーションを与えたといわれる女性であり、最初期のレーザーショーのプロデュースを手掛けた人物なのだそうで。1962年はヤングとザジーラが出会った年であり、もしかしたらこの1枚、二人の共作の第一歩として記念すべき印刷物 …… かどうかまでは残念ながら分かりませんでしたが、日本国内での入手チャンスは僅かなものだと思います。
ところでシアター・オブ・エターナルですが、ちょっと調べてみようかと思ったらちゃんとWikiで出てきました。で、そのWiki曰く「このグループは、フルクサスによるネオダダの美学と、ジョン・ケージ以後のノイズミュージックの連続体としてスタイル的に結びついている」。Wikiで出てきたからといって理解できるものばかりではないことを痛感しております。やれやれまだまだ勉強だ。
あ! 画像右上のはジョージ・ブレクトの作品集『Water Yam』の1枚です。
 

3点目はフルクサスとは少し離れますが1970年代初めのユニークな試みのひとつとして。
『ALEA ENCUENTROS 1972 PANPLONA』→英訳→日本語に置きかえると「パンプローナ・アート・エンカウンターズ」と題された厚冊は、1972年6月26日より7月3日にかけてスペインのパンプローナの街で展開された文化イヴェントのカタログです。
ナバラ出身の建築家一家で、音楽と造形美術の分野で社会文化活動を推進するフアルテ家が支援し、音楽グループ「アレア」が主催したこのイベントは、8日間にわたって世界中のアーティストと市民が共に生活し、街を大きく変貌させることに成功したとされています。
招聘された前衛芸術家は実にその数350人! ボルタンスキー、ルイス・ブニュエル、ジョン・ケージ、オーギュスト・デ・カンポス、フェルナン・レジェ、マン・レイ、マンゾーニ、ブルース・ナウマン、ウォルフ・ヴォステル、ヤニス・クセナキス、荒川修作、河原温などが街の中でハプニング、映画、音楽、朗読などを繰り広げました。
カタログもまたこのユニークなイヴェントに相応しく、袖折込みページと本体の二分の一サイズのページを存分に綴じ込んだユニークかつ贅沢なつくり。それぞれのアーティストによる作品のコンセプトや構想、設計やシステムなどをビジュアライズした誌面はどのページも素晴らしい出来です。

■今週はこの他、戦前内外雑誌スクラップ帖5冊入荷! 全て女性しか出てこない徹底したコレクター魂に小店店主脱帽したところで分売いたします。

今週の斜め読みから。
「イメージです」と描かれたイラストのまんまヒトたちまんまな?
https://note.com/sasaootako57/n/ncc837c3ce143
久々にお目にかかりました。
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=syaIXbVp0mo&feature=share&fbclid=IwAR2hQDaOFPz8BK9-k1-owa_IxMJtj6IUjw2FOVBRga9akEPcEOJXmlufyMg
そして座布団をさしあげたい。
https://mobile.twitter.com/Dgoutokuji/status/1488720781173399559?t=SJiNzbWkXxFKDF-6lqOzjA&s=04&fbclid=IwAR38j_jtNevH956OZnSs9cuSYzAYPjQ3qPsl6AI96Cgar7enLrcNIs_UxVY
 

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