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22/04/23 珍しく紋様・図案以外の木版と熊がリアルな版木などが入荷します。

■先ずはお知らせをいくつか。
その1. 来週からのGWについて。来週、通常営業(=火・木・土曜日の12時より19時)の後、5月1日(日)から9日(月)まで連休いたします。
この間にご連絡が必要な場合はFacebookやInstagramのDMでお願いいたします。
その2.FRAGILE BOOKSで小店が担当する「今週の1冊」が更新されました。今週は「水貼りシール」の巻! お楽しみいただけますように!
その3.目黒通りのアンティークショップ・ジェオグラフィカさんのGW&周年イヴェント「18th Anniversary GEOGRAPHICA ANTIQUE MARKET」が22日(金)にスタートしました! 5月8日(日)まで、会期中無休。
紙モノでは、アルスクモノイ、KITAZAWA DISPLAY BOOKS、CHARKHA、ハチマクラの各店も参加! どんな紙モノが掘り出せるか、是非会場でお楽しみ下さい!
https://ec.geographica.jp/news/IF000342

GWに入るともう今年も半年近くが経ったのかと思い、息つく間もなく6月には小店本拠地である東京南部支部の大市がやってきて、さらにひと月後には「明治古典会七夕古書入札会」が控え、終わればあっという間に夏休み、そして秋へ、と、思う間もなく年の瀬だな。とすでにそんなことを思います。いやはや1年の短いことといったら!
ならば新着品も一足早く夏の気分を味わっていただくべく、朝顔の図版などをご覧いただこうかと思います。
明治から大正にかけて出版された朝顔専門雑誌より、木版図案45葉が入荷いたします。
綴じがはずれていたり裏表紙がなかったり、雑誌としての体裁を取り戻すのは難しい状態だった朝顔専門誌(明治の『穠久会雑誌』『奇蕣会雑誌』、大正の『新潟朝顔会雑誌』)から、多色木版刷の図版をとりました。
明治時代には「士族の商法」として有名な兎の養殖の他、万年青など、いま思うとなかなか不思議な味わいあるもの(?)がブームとなりましたが、朝顔もそうしたひとつ。ただし、江戸時代に盛隆した朝顔趣味は明治に入り一旦はすたれたそうで復活したのは、明治後期。「趣味」ということでは兎ブームとは違い、なおかつ万年青よりはずっと判りやすくはあります。 

但し、朝顔と云っても戦後の小学生が夏休みの絵日記に描いたような例の朝顔とはだいぶ趣を異にしており、花も葉も一般的なイメージからすると朝顔とは思えないようなものばかり。品種改良によって得られる美を競った結果です。
雑誌に収められた木版多色刷の図版は、品評会で90点前後から90点以上つけられた優品揃い。当時、鑑賞価値が高いとされた「獅子系」の変種が多いのは、今回入荷した図版からもみてとることができます。
木版図には画工の名前と落款まで刷り込まれているものが多く、明治の木版プレートとしても楽しめる趣向。というわけで、バラ売りの予定です。
日本の花鳥刷り物や西洋の博物画など、植物関係の美しいプレートは高額品というのが通り相場。ですが、目のつけどころによっては、まだまだ気軽に楽しめる図版がどこかに眠っていたとしても不思議はないような気がします。

■何やら粉砂糖をふりかけたお菓子のような3点。左端は薬袋の題箋、他の2点は商標で、いずれも印刷用の版木です。
商標の2点は木口木版(木の年輪の側を彫った版木)、薬袋の題箋は銅板凸版を木に留め付けてあります。高さが3点とも共通なのは、活版印刷の機械で刷ることができるように、活字の高さに合わせているはず。
さて、一体何の版木かと細かく見れば…
左は "蛔虫駆除新剤 内服薬 大人小児蛔虫下し「セメン円」"。
真ん中は "宮市 防品 金子油"。
右は "大分県日田町豆田 円川薬舘「天龍丸」"。
セメン円は顕微鏡を覗いた時に目にするような円形のなかに、それらしき虫の姿が描かれているのがミソ。
金子油は一体どんなものやら分からないまま、しかし大壺に梅の花を生けた図案を朱色で刷っていたらしく洒落ていて、天龍丸に至っては、周囲の七宝柄からクマの毛のリアルな感じまで見事な仕事ぶりです。
町から印刷屋が消えてこの手のものは消え、印鑑屋さんが消えて木口木版を手掛ける人がいなくなり、この手のものを目にしてにする機会はこれから先、どこに残るのだろうと思いはじめて十数年、いまだ蒐集する個人にも機関にも出会えずに居る日月堂です。まあ小店が扱うものといったら、比較的新しいものなので仕方ないのかも知れませんが。にしても ……… ああっ! 大切なことを忘れてしまうところでした。
白い粉は合法とされている片栗粉でございます。
 

 

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